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Channel: 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー
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●極悪坊主の無類なき面白さ 東映作品1968年

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皆さんこんにちわ。

blogもツイッターも既に飽きてしまった…ついに性欲ゼロとなってしまった高血圧痛風親父です。性欲という厄介なものが無くなったのですが、男性としてご臨終というのは言葉にならない位の寂しさが有ります。今お元気な方、それを当たり前だと思わず有り難いと思って下さいね。(心が生きるってのが性なんです)ってことで東映映画のご紹介いってみましょうか!



極悪坊主 1968年 佐伯 清監督作品




映画力100点です


上手い、ほんとに上手い、なんなんでしょうね、この余裕、懐の深さは。ぐいぐい引き込ませて心地好くさせて、お約束を守って、ゴール迄すんなり導かせるリズムの良さは!


嗚呼、またすっかり騙されちゃったわ、ご馳走さんって感じ。見終わって特別人生が変わるって事はないんですが、観てる間はゆりかごですやすやと眠っているような感じがするんですね。この感覚は分かりやすく言うと、一時期のロンハワードの映画とも似てます。


佐伯清監督(昭和残侠伝シリーズ)は映画ファンでも殆ど知られていないし、まさに忘れられた監督。同じく忘れられた小沢茂弘監督(20年間に110本監督しています)と共に、ほんとに再評価されるべきだと思います。それは一言で言って彼等が観客を楽しませる娯楽映画作りが単純に上手いからです。


さて今回の極悪坊主ですが、ご存知若山富三郎せんせい主演です。坊主なのにやることは無茶苦茶と言う毎度の若山キャラ。若山さんが真面目なのは後年であり、この時期は直情暴走マシーンそのもの。常に博打好き、酒好き、女好き、喧嘩好き、思考はズバリ単純。そしてコレも大きなポイントですが弱いものイジメはしないという設定です(鶴田浩二、高倉健もですね)。この金太郎飴キャラが思う存分堪能出来ます。愉快で愛すべき放送禁止人物とも言えます。

そして若山せんせいを支えるのが、東映極悪俳優の面々。私たちとっても悪いぜ~訴求が滲み出ております。観客の期待を裏切らないこのお約束感…よっ、待ってましたでございます。東映に嵌まると間違いなく悪役俳優を主演俳優以上にリスペクトするようになります。いい悪役ぶりだなあ~、憎いね、嬉しくなるのです。

エンタツさん



小松方正



汐路章



名和せんせい



極悪俳優に的確な仕事をさせつつ、コメディも織り込ませないと娯楽として不十分。ピーポイントで和ませて緩急つけます。









また、坊主が全員空手の使い手?というアクション部分をサイドネタにして文太兄貴が登場します。おいしすぎます。因みに文太兄貴はラストで目つぶしを喰らい撃沈…





良い子の皆さんお楽しみのエロネタもソフトながら有ります。ユーモアを入れてね。



・キャラクターを明確にして(男性目線)
・小学生でも分かるストーリーにして、
・アクションをキッチリ見せて、
・極悪俳優に華を持たせて唸らせて、
・人としての思いやりを描き、
・ユーモアも散りばめて、
・男の遊びを披露して満喫させて、
・起承転結を明確にして、
・リズムとテンポよく仕上げて、
・またリピートする伏線を張り、
・観やすい90分以内でおさめ、
・日本人の機微を刺激させて、
・現在観ても全く遜色ないクオリティ






成熟しとったばい


プチ注意事項
東映は麻薬的な映画なので、本当に好きになると他の映画に興味が無くなる事が懸念されます。これは本来映画が好きな人には反対に害になる可能性が有ります。満遍なく作品を観るのが本当は健全だと思いますので。



おまけ




やはり東映といえば高倉健。眉毛が濃いな


おわり

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