もういちど 駆ける少年
映画を見終わった後、身体の奥底からマグマの様な感情と震えが
恥じも外見も関係なく沸き上がって来た。
いったいなんなんだ、この感覚は?
もう25年も経っているのに私は未だに打ちのめされ続けている・・・・
・傑作
・素晴らしい
・感動
・いい映画
そんな言葉をどれだけ紡いでもこの映画には追いつかない。
当てはまるが、何故かちがう。駆ける少年の前には言葉は全く無力だ。
語ると語るだけ、説明すればするほど、数多の映画で気軽に発せられる
いくらでも言えるお気軽な感動になってしまいかねないと思う。
打ちのめされて無言になるか?感情が爆発して支離滅裂になるか?
私は、そんな映画ではないかと思う。
今までの経験のなかから蓄積されてきたものを試され、
刺激させて化学反応を起こさせる。
映画を知ってる、観てきた、それは関係ない。
佇まいや、音、風景、目に見えないものに対する畏敬の念が知らず知らずのうちに
身についた人、察する事の経験量がほんの少しだけある人ならば心を鷲掴みされる
事だろう。
ここに駆ける少年を見た人のブログがある。
空が藍色になるまで
感情が揺さぶれた経緯があまりにも素晴らしいのでご紹介したいと思う。
今年の「映画初め」は夫とふたりで「ホビット」でした。
その感想を書こうかな~なんて思っていたのに、今日渋谷へ行く用事があり、
せっかく「都会」まで来たなら単館映画でも観ないと…
と田舎モノの貧乏性でうっかりアミール・ナデリ監督『駆ける少年』
を観てしまったら!すべての映画が吹っ飛んだ。
今年ベストワン!(もう!?)なんてものじゃなく、
人生でも指折りに入る映画との出合いでした。
観たばかりで映像がフラッシュバックしまくり、言語化するのがほんとうに
難しい状況なのだけど…だってツイッターに書いた第一声が
「駆ける少年、すげー映画だったよ!ものすごかったよ!
あんな映画初めて見た!ほんとは監督に抱きつきたいくらいだったけど
我慢して感想だけ書いてきた。」「ああ、駆ける少年…!
にゃあ!どうしてくれよう!わー!イラン映画すごいなあ。
キアロスタミの「桜桃の味」観たときも、わあ狂ってるーと思ったけど、
それ以上にすごい。あんな絵、あんな筋、思いつかないよ。
しかも映画でしか表現できないと素人のわたしにでもわかる!
なんかすごかった!」という、わたしの語彙の貧困さを余すところなく
露呈させてたもん(笑)
「映画でしか伝えられない」というのを初めて体感した映画でした。
これまでわたしは映画の見方をよくわからないで観てたかも。
ドラマの延長というか、ストーリーを伝えるもの、としてしか認識してなかった。
しかしナデリ監督の映画で「映像が言語化する」ってこういうことか!ってわかった。
ほとんどセリフらしいセリフはない。ただただ少年が走ってる。叫んでる。
でも言葉で語られずとも、画面は豊かに語りかけてくる。
こんな体験は本当に初めてだった。
パンフレットに監督直筆の脚本があり、それは地平線と、
そこから関数グラフのような1本の放物線が左から右上に伸びて、
左には少年、右上には飛行機らしきものがくしゃっと書かれていて、
たったこれだけ。
言葉から映像を立ち上げる、その翻訳作業がないんだなあ…と、
いや詳細はちゃんと言語化してるんだと思うけど、
やはり言葉よりも映像が浮かぶ人なんだろうなと。
おっかしくておかしくて、クスクス笑ってしまう。
とてつもない怒りに触れて泣けてしまう。最後はもうただただ
心が震えてボロボロ泣いてた。
それは「○○だったから」と明確な言葉では表現しようのない感情だったと思う。
アミールと一緒にうわああああああと叫んで走り出したい。
いかがでしょうか?感情豊かでもう嬉しくなっちゃいました!
すべての映画が吹っ飛んだ
駆ける少年への賛辞の全てだと思います
皆さん、こんにちわ
四捨五入したら50歳ですね!と言われ、えええええ?
この前まで確か16歳だったはずなのに嘘だろう・・・
とショックを隠しきれないでいる82キロ高血圧痛風坊主親父です。
それでは早速このコーナーいってみましょう!
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本日の東映映画
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バカ政ホラ政トッパ政(1976年東映東京 中島貞夫監督)
馬鹿な映画も徹底すれば馬鹿でなくそれは粋になる
今回の映画も観たと同時に忘れちゃう位に東映チックな仕上がり!
しかし「舶来仁義カポネの舎弟」と違ってテンポが実に良いんですよ。
スイスイスイスイなんです。間がいいんですよ。間がね。
この点を捌ききれる中島貞夫監督、いつもながら上手いです。
ストーリー?
これはいつもと同じです。ざっくり言えば務所帰りの文太兄貴が
ケーシー高峰と仲山仁と三人で銀座 で暴れるだけです。
枝葉に色恋はありますがあくまで枝葉に留めています。こんな単純なネタでも
何と無く見れちゃうんだから東映は茶目っ気ありますね。
半分は文太兄貴のキャラがなせる技ですね。
文太兄貴が文太兄貴するだけで馬鹿な男達は食いつくんですから~
※成田三樹夫、意外にマッチョで驚いたなあ~
筋トレしているのかなあ
おまけ
今迄ブログで紹介した東映映画一覧はりつけときますね
・現代やくざ人斬り与太
・狂った野獣
・学生やくざ
・昭和極道史
・暴力団再武装
・日陰者
・まむしの兄弟シリーズ
・極道
・愉快な極道
・博打打ち総長賭博
・舶来仁義カポネの舎弟
・続組織暴力
・解散式
・冒険者カミカゼ
・ザ・カラテ
・海軍横須賀刑務所
・非牡丹博徒 花札勝負
・資金源強奪
・強盗放火殺人囚
・極道社長
・子連れ殺人拳
・暴走パニック大激突
・銀蝶渡り鳥
・実録飛車角狼どもの仁義
・顔役
・暗黒街大通り
・逆襲殺人拳
・不良番長骨までしゃぶれ
・網走番外地シリーズ
・殺人遊戯
・俺達に墓はない
・恐怖女子高校暴行リンチ教室
・明日なき無頼派
・激突殺人拳
・日本暴力列島京阪神殺しの軍団
・実録外伝大阪電撃作戦
・実録3億円事件 時効成立
・沖縄やくざ戦争
・ごろつき
・北陸代理戦争
・暴動島根刑務所
・少林寺拳法
・直撃地獄拳大逆転
・昭和残侠伝シリーズ
・実録安藤組外伝人斬リ舎弟
・横浜暗黒街マシンガンの竜
・不良姐御伝 猪鹿お蝶
・殺人拳2
・県警対組織暴力
・仁義の墓場
・やくざの墓場くちなしの花
・徳川女いれずみ師責め地獄
・ダイナマイトどんどん
・冬の華
・最も危険な遊戯
・総長の首
・けんか空手無頼拳
・けんか空手極真無頼拳
・新幹線大爆破
・ビュ-ティペア真っ赤な青春
・0課の女 赤い手錠
・ゴルゴ13(千葉)
・地獄の掟に明日はない
・血染めの代紋
・泥の河
・爆発!暴走族
・捨て身のならず者
・処刑遊戯
・あなたへ
・トラック野郎シリーズ
・三池監獄 凶悪犯
・組織暴力 兄弟盃
・ならず者
・暴力金脈
(配給も含みます)
だいたいこんなもんです。
健さんの映画の東宝、松竹は省いています
わあ、ばり疲れたばい
おわり