上半期印象に残った映画
キルリスト
そーーーーーーーとう変わった映画でした。ぶっちぎりの怪作です。
こんな居心地の悪さは、あの変態ドS髭爺さんハネケ作品より上です。
でもね、映画としてキッチリしているかといえば???です。結構中途半端です。
がしかし、そういうのはドーデモいいくらいなヘンテコぶりに驚きます。
イギリス本国では、少年は残酷な弓を射るより、観客がおののいたらしいです。
預言者
どっしりとして、丁寧で、見ごたえ充分な作品です。まさしく大人の映画です。
わくわくとした映画ではありませんが、主人公の成長物語としては見事です。
どちらかと言えば男性向きは作品だと思います。普段は○○賞受賞作と言う
のは敬遠しているのですけどね ・・・・・
セルビアンフイルム
セルビアンフイルムは、偶然見るべき映画でなく、なんとなく見る映画でもありません。
そこには見たい!という欲求にかりたてられた遊び多き野郎どもの情熱が漲る、
選ばれた映画なのです。映画は、ゆるいヒューマニズムさを、ある一定の観客層を狙っただけの
子供のオオチャにしてはいけません。(ゆるいヒューマニズム映画も、その切り口・腕があれば別です)
もっと、人間の汚く邪悪で、触れてはいけないような分野を描くことも大事なのです。
その点、このセルビアンフイルムは、倫理道徳をあえてぶち壊した点で、立派な裏ヒューマニズム映画
だと思います。またこの作品は、思った以上に演出がしっかりしています。
残酷さの前の段階のドラマ部分もやっつけ仕事はしていません。伏線も回収していますし、オチの残酷さも明快
です。トーチャーポルノと侮るなかれ!
マーサーマーシーメイマリーン
無駄な、捨てショットが一切ない、緊張感みなぎる傑作です。
かなり寡黙な映画ですが、映画全体の不穏な雰囲気作りは見事です。
下手なホラー映画より数倍恐ろしいです。
「ウインターズボーン」で、兄を演じたジョン・ホークスがカルト教団のトップを
演じていますが、素晴らしいの一言です!
来年の1月に日本公開が決定したようです。是非オススメします。
ヘルプ・心がつなぐストーリー
いい映画でしたね、バランスがとてもよくて感心しちゃいました。
厳しさと、ささやかな希望があるラストシーンも好きでした。
なんだかんだ言って、アメリカ映画には力がありますね。ハリウッド恐るべし!
ロン・ハワード監督の娘さん、嫌味な女を熱演でした。
ドライヴ
決められたストーリー展開であっても、監督のセンスで映画は活きますね!
ラストの対決シーンなど、結構感心しちゃいました。この監督、これからが楽しみですね。
哀しき獣
キム・ユンソクが、熱かった!これに尽きますね~
中国でのロケーション部分がとにかく秀逸でした。映画としての力(画力)がある傑作です。
ちょっと、上映時間が長いのが減点ですね。それにストーリーが複雑でしたね。
まあ、ストーリーよりも迫力があればノープロブレムですけどね。
「チェイサー」のほうが、作品的には上ですね。
ウォーリアー
これは傑作ですよ~ 心に傷ある人、もがいている人、人生に迷っている人、には特にオススメです。
映画「レスラー」に感動した人たちは必見です。
ニック・ノルティ ・・・ かなりいい仕事していますよ。
最近は女性向けの映画が多い中で、この映画はほぼ男性向けですね。
やはり男性をターゲットにしたマーケティングは企画が厳しいのかなあ?
日本公開ないなんて勿体無さすぎです!
少年は残酷な弓を射る
不穏な雰囲気で息苦しくなります。ホラー映画より怖いですね。
何より、終始 緊張感だらけで息が抜けません。
ほっと一息なんて一切ありませんので、苦手な人は要注意です。
登場人物のキャラ作りが見事です。現在公開中ですので気になる方は是非!
ロボット
説明は不要ですね!
ミラージュマン
これ、映画馬鹿(特に男性)にはオススメです。
南米チリの作品ですが、「キックアス」 「スーパー」の元になった映画ですね。
とにかく、この監督は東映映画の隠れファンではないか?と思えるくらいに、
いたるところにらしさが溢れています。東映といっても、東映セントラルフィルムのノリです。
松田優作の遊戯シリーズとか、70年台後期のプログラムピクチャーの、そうそう、あのノリです。
音楽なんか、まんま東映です。また、急に、音楽がダーティハリーのラロ・シフロン調に
なったりと遊び心満載でもあります。
おまけに、バイクシーンは、中平康の混血児ユカ一人行くさすらいの旅も入っています。
とどめは、主人公は座禅をくみ、バックが日の丸と東映三角マークとくれば、
オッサンは興奮せずにはおられなくなりましたよ。
でもですね、この座禅のシーンは、なにげなくしているので、判別は私の個人的解釈です。
また、リー師匠の死亡遊戯とかもふんだんに取り入れてまして満足度120%です。
ただ画像は、韓国映画の殺人の追憶の田舎の、あのどんより感丸出しですからなんとも凄い映画です。
ストーリー? スーパーと同じです、てか、スーパーが真似てるんですけどね。
ふうう、まだまだ面白いのがありましたが、この辺でおわります。
で、一番がっかりだったのは、豊山犬(プンサンケ)という韓国映画です。
おまけ
旧作で印象深かったのは、「切腹」 「逆噴射家族」 「その街のこども 劇場版」
特に「ヤコブへの手紙」は、そのシンプルさに心打たれました。
また、黒沢さんの「どですかでん」は絶対オススメです。
おわり